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2011/10/21

腰痛治療の現状

《トップページ》
スウェーデンのルンド大学教授リドグレン氏の呼びかけにより、2000年から「運動器の10年」という国際キャンペーンが始まりました。現在、国連やWHO(世界保健機関)をはじめ、世界数10ヶ国が参加しています。

運動器とは骨、関節、筋肉などの骨格を支える器官の総称です。

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《運動器疾患は長期にわたる強い苦痛と不自由の最大の原因であり、世界中の膨大な数の人がこれに苦しんでいる。ただちに行動しなくてはならない》

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これは国連のアナン前事務総長がキャンペーンを支持した際の言葉です。たしかに今、運動器疾患は世界共通の問題となっています。とくに高齢化がすすむ先進国においては、もはや
社会問題になっているといっても過言ではないでしょう。

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欧米全体では65歳以上の2人に1人が運動器疾患を患っており、日本ではこの疾患にかかる65歳以上の医療費が全体の約1割を占めています。

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とくに日本では高齢化の波が欧米に比べて3~4倍のスピードで押し寄せてきており、2025年には4人に1人が65歳以上になると目されています。したがってこの疾患の医療費は、今後さらに増え続けることが予想されます。

類がかつて経験したことのない超高齢化社会においては、運動器疾患の程度や有無が、人々の生活を左右することは想像に難くありません。

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さらにこの疾患は高齢者のみならず、現役世代にも深刻な影を落としています。

アメリカにおける大規模な腰痛調査によれば、就業世代の5割が毎年腰痛を発症しており、45歳以下では就業不能の最たる原因となっています。

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ドイツでは医療費の
2割運動器疾患が占めるといわれており、日本においても関連機関等による成人へのアンケート調査の結果、日常的に感じる症状の第1~2位は「腰痛・肩こり」の指定席になっています。

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「運動器の10年」というキャンペーンはまさしく時宜を得たものであり、アナン前事務総長の言葉にはたいへんな重みがあるといえます。

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さて、このキャンペーンの最大の目的は運動器疾患の現状を広く啓蒙し、治療法や予防法の研究を推進しようとするものです。

ところが、この疾患の病態―とくに痛みについて―はいまだ不明な点があり、十分な研究成果が得られておりません。

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なかでも腰痛に関しては未解明な部分が多く残されており、とくに近年、整形外科による治療は混迷の度を深めています。たとえば、

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    『数年前までは手術でしか治せないと考えられていた疾患が、今では手術の必要がない』
    『急性腰痛に対して薦められてきた安静臥床は、
無効ないし有害である』
    『効果があると信じられてきた
牽引治療科学的根拠ない
    『画像検査の結果だけで腰痛の原因を説明できるケースは、実は
少ない

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など、従来の常識が覆されるという事例が後を絶ちません。こうした治療方針の転換が露呈するたび、現場の医師は困惑し、軌道修正を迫られるといった状況にあります(この背景にはEBMという科学手法の派生があります。EBMについてはこちら)。

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また多くの国において、腰痛を治療する場所が基幹医療の外に複数存在しており、そこには各国固有の伝統医学やその他の代替療法があります。そしてその一つ一つが
異なる病因を主張しています。

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つまり腰痛に対する考え方は代替療法では多種多様、千差万別であり、整形外科においてはその移り変わりが顕著であるということができます。

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なぜ腰痛治療はこれほどにも混乱しているのでしょうか。その根底にはいったい何があるのでしょう。実はそこには次のような事実が厳然としてあるのです。

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《腰痛には、科学的に完全に証明された治療理論がなく、したがって世界的に統一された疾患概念もない》

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要するに「腰痛の原因はこれだ」という決定的な答え-研究者にとって納得できる答え-がまだ見つかっていないのです。

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しかし、こうした事態に終止符を打つべくまったく新しい腰痛概念が存在します。残念ながら一部の医療関係者にしか知られていない事実ですが、もしこれが世界に認知され、理解されるのであれば、腰痛治療の混乱は収束に向かい、そして運動器の痛みの概念もほぼ統一されるものと思われます。それほどに大きな意味を持つ発見といえるのです。
 その発見とはすなわち

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(外傷や内科由来の痛みを除く)腰痛の原因は骨格の損傷ではなく、機能の障害である」
 
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というものです。
実はレントゲンやMRIに写し出される形態の変化は、多くの場合痛みとは無関係であり、まったく別次元の「機能の障害」にこそ原因があるのです。

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この事実を理解するためには、以下の2点
 
  ①「痛みの科学的研究の限界」
  ②「画像診断の限界」
 
について、まず知っていただく必要があります。

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