三上理学施療科

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2011/11/03

ARFがプラセボ効果ではない!と言える理由

はじめにプラセボ効果について簡単にご説明しておきます。

 (知っているという方は読み飛ばしてください)

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偽薬ショ糖やでんぷんなどで作った効果のない錠剤

偽注射鎮痛剤と称して打つ生理食塩水による注射

偽手術全身麻酔下で皮膚を切開し、直後に縫合するだけの偽の手術

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このように効果が現れるはずのない医療行為によって、実際に症状が改善されてしまう現象をプラシーボ効果または

プラセボ効果以下プラセボと略す)と言います。

人間の強い思い込みが痛みを消したり、血流を改善させたり、咳を止めることがあるのです。

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こうした現象は医療の中の交絡因子を考える上で、最も重要な要素であり、治療効果に大きな影響を与える因子であることが分かっています。

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新薬の臨床試験ではプラセボ群(偽薬を投与したグループ)と本物を投与したグループを比較するということが必ず行われていますし、EBM根拠に基づいた医療)においても、プラセボ(偽治療)群との比較検討をしていない医療は“科学的”という評価を得ることができません。

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それほどにこのプラセボは医療の根底に横たわる重大な存在なのです。

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心と体は決して切り離せないものだということを示唆する摩訶不思議な現象、ある意味人間という生き物を象徴している現象、それがプラセボです。

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プラセボは人間の思い込み・先入観・期待感などが強ければ強いほど現れやすくなります。

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これは医療に限らずどんな世界でも同じです。一番分かりやすい例はテレビです。ラーメン店であれば、放映の翌日には行列ができ、高級レストランであれば、向こう3カ月は予約が埋まり、実際に足を運んだ人たちの多くが「美味しい」と感じます。

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昔あるテレビ番組で、京都の老舗懐石料理の名店に主婦3人が初めて訪れるという企画がありました。実際には厨房にいる小学生らによって作られた、まことにお粗末な料理が供されるのですが、名物女将がもっともらしい口上を述べると、その解説に感心しきりの3人が満足そうに舌鼓を打つシーンがお茶の間に…

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結局最後まで小学生が作った料理とは気づかず、料亭を出てきた主婦らは「さすがは○×(料亭の名前)ね。本当に美味しかったわ」という感想を口にしたところで、番組スタッフが種明かしをするというものでした。

この実験は人間の思い込みの強さをはかるための“ドッキリ”でしたが、その結果はまさしくプラセボの威力を証明するものだったわけです。

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したがってこれを医療に当てはめれば、老舗の名店=有名大学病院、名物女将による解説=有名教授の診察、ということになり、その治療の背景- 世間への認知度、治療内容の分かりやすさ、宣伝本の出版、芸能人やスポーツ選手の通院、健康雑誌や新聞への掲載、テレビやラジオへの出演など-の有無が、プラセボ発現の鍵を握っている言えます。

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それでは私どもが行っているARFの場合はどうでしょう?

胸を張って言うことではありませんが、世間の認知度はほとんどありません(新しい概念なので当然のことではありますが…)。

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私のところにはJリーガーなどプロのアスリートも来ていますが、待合室にサイン色紙は貼られていませんし、健康雑誌やスポーツ新聞に掲載されたり、ましてやテレビに取り上げられたりといったこともありません。

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何よりも治療内容が極めて分かりにくい!

ウェブサイトにおいて私の持てる知力の全てを注いで解説を試みていますが、それでも多くの患者さんにとって

意味不明”である事実に変わりありません。

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しかも実際の手技は?と言えば、術者の両手の指先で「ほとんど触れるか触れないかという程度に」微かに触れるだけというものです

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どう考えてみてもプラセボが発動する要因などまったくないわけです。発現しないどころか反対にアンチプラシーボの現象‐ノーシーボ‐が起きても不思議ではないくらいの場面もあります。

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「背骨がゆがんでいるから痛いんだ!矯正してもらわないと!」と思い込んでいる人が来院してしまった場合です。

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このケースでは目も当てられないほどの悲劇が待ち受けています。

治療が始まった瞬間、患者さんのなかに衝撃が走るわけです。

「なんだこりゃ!ただ触っているだけじゃないか!こんなんで痛みが取れるわけないだろう!」

と怒り心頭に発してしまうわけです。

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治療が終わって、理学所見筋スパズムや関節の可動域など)を確認すると見事に改善しているのですが、本人のリアクションは最悪です。痛みはどうですか?と聞いても、「は?なに?」という感じで、変わるはずないだろう!と言わんばかりの表情です。

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理学所見と本人の痛みが100%一致するわけではないので、こちらとしても早計はいけません。痛みの臨床というのは、患者さんの自覚がすべてですから、どんなに理学所見が改善していても、そんなものは何の言い訳にもなりません。

血圧や体温と違って“疼痛計”というものがない以上、“患者さんの訴えがすべてなのです。ですから、もう一度ベッドに寝ていただいて再度チャレンジします。

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ところが、そうしたことを23度繰り返しても、やはり痛みは不変のまま…。

最後は患者さんのほうも根負けするのか、苦笑いを浮かべながら「いやあ…、もう全然変わらないですよ…」と口ごもり、「もう…、いい加減勘弁してよ」というオーラを発してきます。こうなると、さすがにこちらとしても 「…ギブアップ…!」 です。

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なんとも不穏な空気が漂うなか、不愉快の極みに達している患者さんに対して、こちらとしても脈絡のない説明でお茶を濁すしかなく…。しかも痛みが変わらなかったという現実を前にして、治療費をいただくわけにもいかず、「お代はけっこうです。お時間を取らせただけで何のお役にも立てず申し訳ありませんでした」と平謝りするしかないわけです。

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ゆがみを矯正すれば治るという理屈の衣にくるまれたまま、その衣を脱ごうとしない-感じる力(五感力)を封印している-人たちは、例外なく私の自律神経をすさまじく鍛えてくれます。

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ノーシーボとはプラセボの反対という意味で、本人のの思い込みによって、実際に起こるはずのない症状が出てしまうことを言います。たとえば熱くなっていると信じ込ませたうえで、実際には冷たいアイロンを皮膚にあてると、被験者は熱さを感じて皮膚に熱傷病変が現れてしまうという、俄かには信じ難い現象があります。

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先の例では、痛みが悪化しなかっただけマシと言えるかもしれませんが、現実にはノーシーボに近い反応が起きていると言えなくもないのです。

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ですから、私どもが行っているARFにあっては、プラセボが入り込む余地など微塵もない考えています。

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しかし、ARFの衝撃はこんなものではすみません。実はここから先にドラマが待ち受けているのです。

その場では怒って帰ってしまった人。ノーシーボに近いことが起こっても不思議ではない人。そういう患者さんにその後何が起こるのか?

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吉岡さん(仮名)は日頃から腰痛肩こりに悩んでいる専業主婦です。ある時かかりつけ医院の薬局で、偶然隣りに居合わせた人から当院のことを聞いて受診されました。するとARFの治療効果にたいそう驚かれ、「うちのだんなにも効くかしら?大きい図体して私より弱いんですよ。この前もぎっくり腰になって近くの病院やら整体に…」

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その数日後、吉岡さんのご主人が来られました。50代前半の会社員でした。物静かなタイプで、こちらの問いかけにも多くを語らず、黙って頷くだけで、本人からは痛みの原因となる背景について何の情報も得ることができませんでした。それほどに問診に非協力的な態度だったのです。

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あとで分かったことなのですが、本人が納得して来たわけではなく、奥様からあまりにしつこく勧められたので、仕方なしに渋々来たということだったのです。当然治療内容を説明したところで、聞き耳を持たずという状況です。

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そしていざ治療を始めると、予想どおり、先に紹介した「理屈人」とまったく同じことが起こるわけです。この方の場合、奥様のてまえ、さすがに怒りを露わにすることはありませんでしたが、憮然とした表情で帰っていかれました。

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さて、この後吉岡さんのご主人に何が起きたのか?

以下はその数日後、奥様が治療に来られたときの会話です。

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   「先生、この前は主人のほう…ありがとうございました」

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   「あっ、ええ、いえ…」

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   「主人はああいう性格だから…、失礼があったんじゃないかしらと思って…」

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   「いえ、別に…、そんな…、で、その後ご主人の具合のほうは…」

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   「それがね先生、笑っちゃうのよ。あの日…、どうだった?って聞いたら、なんかぶつぶつ言ってるだけで、不機嫌な顔をしていたんですけどね、火曜日の朝(治療の2日後)、ふと見たら、5本指のソックスを普通に履いてるんですよ。びっくりして、あら、痛いから履けないって言っていたのに、そっちの履けたんだ?痛くないの?って聞いたら、本人きょとんとしちゃって。私に言われてはじめて気づいたみたいでね…。ホントおかしいでしょ…」

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   「それじゃ、良くなっているんですね」

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   「本人は何も言わないんですけど、あれから痛いって言わなくなったし…。だってねえ、その前はズボンを履くのも一苦労で、大汗かいて着替えていたのが、今は涼しい顔で…」

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   「そうですか、それはそれは…。安心しました。ホント良くなってよかったですね」

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つまりこういうことです。前かがみの姿勢が辛いため、面倒な5本指ソックスを履くことができず、普通の靴下を履いていたのに、治療2日後の朝は痛みがなくなっていたため、ふだんどおり5本指ソックスを履けていたということです。しかも本人がそれに気づいていなかっというオチまで。

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こういうことがARFでは珍しくないのです。本人の負の感情をひっくり返すほどの現象が現れてしまうのです

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また、36歳くらいの子供たちが見事なまでに改善する現象も、プラセボではないと言える理由になると思います。その年齢の子供たちがARFの治療内容を事前に知って、その内容を理解するということは、まずあり得ないことですし、ましてや何らかの期待感を抱くということも考えられません。

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つい先日も、脳性小児麻痺の子供のリハをしているとき、いつもより表情に生気を感じなかったので、触診を入念に行ったところ、左下肢全体が明らかにむくんでいるのが分かりました。

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そこでARFを行ってみると、なんと完璧にむくみがひいたのです。じっとしていることができない子供の治療はむつかしいのですが、それでもこれだけの変化が現れるというのはすごいことだと思います。治療後は顔に生気が戻って、表情も明るくなりました。

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こういうことは以前までの技術(AKA-博田法)では経験したことがありません。

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以上のような理由から、「ARFにプラセボはほとんどないに等しい。仮にあったとしても極めて些少である」と、私は考えています。

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                なぜ痛みが消えるのか?-機能の視点から-.

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              なぜ痛みが消えるのか?-基礎医学の視点から- 

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                 なぜ痛みが消えるのか?-科学の視点から-

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             なぜ体調が良くなるのか?-エネルギー療法の視点から-

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                      三上理学施療科公式サイト

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