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« 古今東西あらゆる痛み治療は最終的に“同じ場所”にアプローチしているという見方 | トップページ | 無意識下情報処理が痛みや関節拘縮を改善させる理由②-DMNとミラーセラピー- »

2015/08/22

BFI 研究会代表あいさつ-NHKスペシャルが開いた扉の先にあるもの-

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本年(2015年)7月に放映されたNHKスペシャル「腰痛・治療革命」。この番組では「腰痛の原因は脳にある」という最新科学が紹介され、大反響を呼びました。
                            ≪NHKスペシャル「腰痛・治療革命」より≫

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「痛みの原因は脳の誤作動…」という解説に、視聴者の多くが衝撃を受けたわけですがこうした番組作りに象徴されるように、実は今、痛みの医療は歴史的な変革期を迎えています。

脳における感覚統合(感覚⇒知覚⇒認知の制御)にはシステムエラーが意外なほど多く潜んでいることが、最新の脳科学によって示されているからです

パソコンにおいて何らかの不具合に遭遇した際、それがソフトの問題なのか、ハードの問題なのかは素人でも大凡の見当がつきますが、“人間”に不具合が生じた場合その見極めは簡単ではありません。

現代医学においてはハード(肉体)の専門家-その多くがソフト(脳の働き)の専門知識を持たない-が陣頭指揮に当たっているからです。

そうしたなか私は“ハードの問題”と“痛み”を切り離す視点の重要性を提起しつつ、建築工学と運動生理学さらに脳科学の視点を融合させた新しい概念を措定し、それらを『三上の十説』にまとめました。

その一部を以下に抜粋します。

『脊椎は脳を守る免震装置(制震ダンパー)であり、椎間板は高性能免震ゴムと見なすことができる。椎間板の変性は免震ゴムの経年劣化ではなく、合目的的な性質転換-背骨の強度変化に合わせて進む高反発から低反発への性能改変-であり、椎間板ヘルニアはその過程に顕現する免震ゴムの減圧現象すなわち生理的変化に過ぎない』

『三上分類(痛みの分類における新たな視点)-脳のシステムエラーによる"ソフトペイン"。組織の障害を知らせる"ハードペイン"。この両者の混成痛"ハイブリッドペイン"-。人間が感じる痛みはこの3種類しかない』

ソフトペインのメカニズムは痛みの記憶回路(過去の体験・記憶に基づく脳内補完)の過活動』

東日本大震災(2011年)当時、ネットで「痛み 記憶」で検索すると、ヒットするページは数えるほどしかありませんでしたが、翌年(2012年)自説「痛み記憶の再生理論」がネット上に発表されると、その後「痛みは記憶される云々」と記述するサイトが徐々に増えていき、今では膨大な数がヒットします。

骨の変形、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄等々の画像所見と痛みのあいだには、実は「確たる相関性がない」ことが科学的に証明されています(→EBM)。にも拘らず、多くの診察現場が従来の画像診断を続けています。

脊椎の世界的権威Norbert Boos博士はそうした現状に対して、「我々は画像所見と症状が相関しないことを知っている。我々が治療すべきは患者であってMRI写真ではない」と痛烈に批判しています。

先に挙げた「NHKスペシャル」においても、脊椎の専門医が登場し、「腰痛のない人にも骨の変形はたくさん見つかります。画像に映し出される変形は痛みの原因ではありません。またヘルニアの9割が自然消滅することが分かっており、多くの場合手術の必要はありません…」と、衝撃的な告白をしました。

         ≪NHKスペシャル「腰痛・治療革命」より≫A9_2         ≪NHKスペシャル「腰痛・治療革命」より≫Aaa1
「ヘルニアは放っておいても消える」というのは一般の方にとって驚愕の事実でしょうけれども、さらに踏み込んだ真相をお伝えする必要があります。

より正確には『自然に消えるから手術の必要がない…』のではなく、そもそもの話、椎間板ヘルニアの9割以上が無症候性(痛みを出さない生理的変化)であるため、はなから手術の対象になり得ないというのが正真正銘の“真実”です。

全体の1割にも満たないごく少数の“本物の椎間板ヘルニア”は痛みではなく、“麻痺”が主症状となり、これに限り手術が必要になります(直腸膀胱障害やサドル麻痺等)。脊柱管狭窄症においてもこれとまったく同じことが言えます。

実は“しびれ”には麻痺と錯感覚の2種類があり、麻痺(感覚脱失-触ってもつねっても何も感じない-)はハードの問題ですが、ムズムズするような違和感や電気が走るようなビリビリ感に代表される錯感覚はソフトの問題です。詳しくは“手足のしびれ”の真相をお読み下さい。

頚椎と腰椎に見られるヘルニアを含め、もし担当医から頚椎症性神経根症、頚椎症性脊髄症、脊柱管狭窄症等々といった従来の画像診断を受けたとしても、明らかな麻痺がない限り心配する必要はありません。これらの9割以上はソフトの問題だからです。

そもそも「MRI写真は生体内におけるプロトン(H原子)の動きの映像化であって実映像ではない」という基本前提があります。にも拘らず、画像精度および確度を過大評価する現場が多く、「形態学上の診断と痛みの原因診断を切り離す視点」の重要性に気づいている医療者は少数…。

筋力低下についてもその原因はハードではなく、ソフトの問題-脳の運動神経回路の変調(信号出力の低下)すなわち“運動プログラムのエラー”-によるものがほとんどです。

手術後も改善しない、あるいは再発する痛みはソフトペインの可能性が高く、「画像診断によるハードペイン」という思い込みから解放されるだけで、驚くほどの回復を見せる方が実際にいらっしゃいます。

NHKスペシャルでは上記のごとく専門医が語る映像を腰痛患者(175人)に見せたところ、なんとそれだけで4割近くの人が改善したという結果が紹介され、まさしくソフトペインであるが故の性質、本態、メカニズム-画像診断による思い込み、先入観を払拭することで心からの“安心スイッチ”が入ると、脳内の痛み回路の過活動が鎮まってソフトペインが改善する-を世に知らしめる結果となっていました。

この番組は腰痛に的を絞った内容でしたが、数ある痛みの中でも腰痛だけがソフトペインなのでしょうか…。「腰の骨の変形は痛みと無関係」だけれども、「首の骨の変形はそうではない」という論理に整合性はあるでしょうか。

首のレントゲン検査において、“ストレートネック”が見つかると、頚痛や肩こりの原因と説明されることが多いわけですが、私に言わせればその本態はソフトペインに過ぎず、NHKスペシャルで紹介された映像実験の首(頚椎)バージョンを行ったら、“腰痛”と同じ結果になるのでは…。

私の臨床データにおいては、頚椎であれ、腰椎であれ、ハードの深刻な故障は最終的に“麻痺”という形で顕在化し、他方ソフトの問題は持続性の痛みや手足のしびれ(錯感覚)となって現れるという結論が得られています。

慢性痛の正体はあくまでもソフトペインであり、脳の中の言わば“火災報知機の誤作動”に過ぎないのです。実際には火事は発生していないのに報知器だけが鳴り響いている、これがソフトペインだと言えます。

ただし「火災報知機の誤作動が実際に火事を引き起こす…」なんてことは、現実にはあり得ないわけですが、人間の場合「小火を誘発する」という違いがあります。脳の誤作動が実際に筋肉の緊張を変えてしまう-火災報知機の誤作動が運動プログラムのエラーを誘発する-ことがあるのです。

このとき脳から出る信号が強くなり過ぎると、“筋肉の過緊張”が引き起こされ、結果的にトリガーポイントをはじめとする“凝り”が生み出されます。他方、信号が弱くなると、前述した通り“筋肉の低緊張”すなわち筋力低下となるわけです。したがってロコモティブシンドロームのほとんどは脳の問題であり、脳の働きを回復させることこそが一番の近道なのです。

“熱湯”と思い込ませた冷水を浴びせると、被験者はリアルに“熱さ”を感じるだけでなく、実際に皮膚に熱傷病変が現れてしまうという驚愕の実験結果は、実はソフトペインの実態をよく顕していると言えます。

炎症が起きるから痛いのか。痛いから炎症を起こすのか。病理学の謎は今、脳科学によって解明されつつあるのです。

NHKスペシャルが取り上げた“腰痛”のみならず、多くの痛みやしびれの真の原因は脳の誤作動すなわちソフトペインに過ぎません。ソフトの問題はパソコンでは画面のフリーズ、人間では痛みや凝り、時にしびれ(錯感覚)となって顕現するということです。

エラー状態にあるソフト、すなわちバグを抱えたプログラムに対しては、修正プログラムをインストールすることで復旧されるわけですが、人間の脳にとってもそれと同じことが言えます。

実は私たち人間は五感を入口にして日々ソフトのアップデートを繰り返しています。心地いい音楽を聴いているときは聴覚を入口にして、芳しい香りに満たされているときは嗅覚を入口にして、脳は自動的にアップデートを行っているのです。

アップデートの中身に修正プログラムが含まれているかどうかは、“脳との相性”という次元に委ねられます。そのため、音楽療法で改善する脳もあれば、アロマテラピーで改善する脳もあるということが言えるわけです。

私どもが行っているBFI(ブレイン・フィンガー・インターフェース/脳と手指を繋ぐ技術) は触覚と運動覚を入口にしてアップデートを促すものであり、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症、さらにCRPS(RSD)や線維筋痛症に代表される"難治性疼痛"の治療を追究するなかで生み出された技術です。

難治性疼痛をはじめ多くの痛みはハードペインではなく、ソフトペインもしくはハイブリッドペインであり、私をはじめBFI研究会会員らの臨床においては圧倒的にソフトペインが多いというデータが得られています。BFI を実践することで多くの痛みやしびれの背景に"ソフトの問題"が潜在していることが分かったのです。

「一生治らない」かのように説明されてきた痛みやしびれにおいても、脳にアプローチすることで、すなわちソフトを改善させることで完治し得ることが示されています。HRV(心拍変動解析)による自律神経測定-治療効果の"見える化"-により、そうした事実が客観的に証明されつつあるのです。

今、痛みの医療は本当に大きな転換期にあります。

火災報知機の誤作動を止めようとするのも、消防隊に出動を要請するのも、それはあなたの自由です。ソフトのアップデートで解決を図るのか、それとも画像診断を信じてハードの修理に臨むのかは個人の選択の問題です。しかし…。

最後に重ねて申し上げます。あなたを悩ませているその痛み、ソフトペインの可能性が極めて高いというのが私の見方です。ぎっくり腰ですら急性ソフトペインに過ぎないことがBFIによって証明されています(⇒「ぎっくり腰の真実-脳の自衛措置-)。

BFI は術者の手指による多重極微の刺激を通して脳に働きかけ、ソフトの問題を改善させようとする技術であり、より具体的には脳代謝バランスおよび自律神経バランスを回復させ得る画期的な療法です。

≪イメージ図≫Bfizengo2
2015年現在、BFIを行う医療施設は関東首都圏に十数か所ありますが、全国各地の医療関係者から問合せを頂いており、今後徐々に増えていくものと推察しております。

ひとりでも多くの患者さんに最新の医療技術-脳に対して非侵襲的なアプローチかつ安全無痛の施術-を"体感"していただくことで、そして多くの人々が脳と痛みの関係を知ることで、無駄な手術に命を賭けないですむ…、そんな時代の到来を私は願って止みません。

     BFI 研究会代表 三上クリニカルラボ代表 三上敦士                  

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