関節反射ショック理論③-「関節トーヌスの瞬間消失」はなぜ起こるのか?-
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注)当ページをご覧いただく前に必ず前編(関節反射ショック理論②-関節反射とは何か?-)にお目を通しておいてください。
脳発達過程における「臨界期」とは?
【ヒトをはじめとする高等生物の脳の発達過程において、環境や経験によって脳神経回路がとりわけ大きな影響を受ける時期を「臨界期」と呼ぶ。
この時期は神経回路の書き換えが頻繁に行われるため技能習得の優位性が顕著であるがその一方で、運動回路は未完成であるため、特殊な(強加速度的な)外力に対しては中枢制御が不完全だと考えられる】
【補足】
上記「外力の強さや関節肢位等の条件が重なる」とは、「一定レベル以上の大きな加速度や強大な“ねじれ応力”が発生した場合」と考えられます。
とくに“ねじれ応力”は関節反射機能にとって最大のウィークポイントだと言えるのではないか…、臨床的にはそのように推測されます。
➡脳疲労とは何か?-ブレオスタシス(脳内環境の恒常性維持)という視点- ➡4スタンス理論と関節神経学の融合-4スタンス×8理論-
上記以外にも皮膚張力および交感神経の関与等についても考える必要があります。
とくに運動器の血流をコントロールする交感神経の問題はCAN(中枢性自律神経ネットワーク)の疲労(組織の酸化ストレス)に起因することが分かっています。
したがって末梢の次元だけを捉える視点(ハード論)では運動器の問題を包括的に捉えることは極めて困難だと言えます。
超高齢化社会を迎える日本においては現役世代の高齢化に伴うロコモや認知症の問題は避けて通れない切実なテーマであり、医療者においては中枢の次元を考える視点(ソフト論)をこれまで以上に大事にする必要があるのではないでしょうか。
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