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« ①BFI 入門編-脳にアプローチする治療家にとって絶対不可欠の心構え- | トップページ | 触覚同期ミラーセラピー »

2017/06/14

④BFI動的アプローチ(BFI-dynamic approach)-皮膚回旋誘導テクニック-

《トップページ》
➡①BFI 入門編-脳にアプローチする治療家にとって絶対不可欠の心構え-
➡②BFI テクニック序論-基本的な考え方および検査等-
➡③BFI静的アプローチ(BFI-static approach)-ルーティンテクニック-
➡④BFI動的アプローチ(BFI-dynamic approach)-皮膚回旋誘導テクニック-
➡⑤BFIの動画サイト(You Tube)-アップデートされるたび技術の一部を公開-
➡⑥H29年7月のアップデートおよび比較試験の結果報告




このたび(H29年5月)、関節運動に同期して皮膚が一定の法則にしたがって回旋し(とくに大腿部ではらせん状に回り)、これが4スタンス理論および皮膚割線(ランゲルライン)のライン方向と何らかの関連性があるかもしれないという視点が浮上しました(福井勉氏の皮膚運動学においては4スタンス理論や回旋方向の法則性といったことは指摘されていないと思います)。

※皮膚割線…目に見えない皮膚の張力方向を図示したもので、手術の際にこのラインに沿って切開すると手術痕が目立たなくなるといわれている。
➡皮膚割線の図

まだ確定できる段階ではありませんが、この皮膚回旋を誘導する技術を適用することで、回復期リハが以前より効果的に行えることが分かってきました。



皮膚刺激(タッチケア)が発達障害や認知症などを改善させることがオキシトシンの研究で知られるようになりましたが、脳卒中の回復期リハにおいても皮膚へのアプローチは従来の常識になかった劇的な効果を上げること(皮膚振動伝達装置による実例)が分かってきました。

当会は従来のミラーセラピーに皮膚刺激を同期させることで効果が高まることを発見し、さらに今回見出された皮膚回旋誘導テクニックにおいても脳へ働きかける効果が高いことが推断されます。

したがってこのテクニックは痛みの臨床においても有用性があり、従来のBFI技術(静的アプローチ)と併用することで、手指腱鞘炎、ばね指、手指拘縮、間欠性跛行における下肢痛やしびれ、シンスプリントや脛骨疲労骨折、変形性膝関節症、変形性股関節症、坐骨神経痛と言われる症例、その他多くの症例に効果発現を認めます。


ただし、このように皮膚の動きにアプローチすることで、拘縮や痛み等の改善が見られるからと言って、「皮膚の問題こそが拘縮や痛みの根本原因である」と考えるのは早計かと存じます。

たとえば大腿の皮膚回旋を誘導すると、腹鳴を起こす患者が多いことが観察され、皮膚回旋は副交感神経系を介して脳にアクセスする効果が高いのではと推断されます。

肉眼で観察される皮膚の伸長を誘導すると、皮膚緊張の変化を感じる(情報の変化が意識に上る)ことが多いのですが、目に見えない皮膚回旋を誘導しても、その変化が意識に上ることはほとんどありません。

“心地良さ”を感じることはあっても、“皮膚が回った”という明確な変化を感知できる被験者はおりません。
これこそはまさしく“無意識下情報処理”であろうと推論されます。

AKA⁻博田法における膝Jの軸回旋が有効に働くメカニズムとして、同時に皮膚回旋をも誘導しているという要因もあり得るのではないか。それ以外の全てのAKA技術が有効に働く真の理由においても、そもそも脳にとっての無意識下情報処理に相当しているからではないか。

さらに関節であろうと筋膜であろうと皮膚であろうと、運動器(ハード)への何らかの介入によって「運動機能が改善するメカニズム」と「痛みが改善するメカニズム」を切り離して考える視点も必要ではないか、というのが当会のスタンスです。

こうした捉え方をすることではじめて運動機能の変化と痛みの変化が一致しない症例を合理的に解釈することができます。


ハード論(=線形科学の論理)ではA→BならばB→Aという1対1の整合性が担保されますが、“痛み”も“筋協調性”も脳内の神経回路が生成する現象であり、その脳は非線形科学すなわち複雑系であることから1対1の論理は極めて成立しにくいという前提があります。

CRPS(RSD)やアロディニア等の症例に対しては、いきなり皮膚回旋誘導テクニックを使うと痛みが邪魔をしてスムースに行うことができません。最初に従来のBFI技術(静的アプローチ)を使って、脳の興奮をある程度鎮めことに成功したそのあとで、皮膚を動かすテクニックに進むという二段構えが必要です。


皮膚に現れる変化は脳の知覚統合プロセスにおけるシステムエラーが引き起こす種々現象の一つかもしれず、ハード論の視点のみで結論付けることは避けるべきで、“脳膚相関”を踏まえて考えていく必要があります。

脳を相手にしている臨床では原因論と方法論が必ずしも1対1の関係性にならないことに留意すべきと考えます。「見えないものを相手にしている」という明確な自覚が必要です。

これまでのところ皮膚回旋誘導テクニックの有効性が確認されている部位は、指節間関節、股関節、膝関節などですが、今後技術の精度を挙げつつ臨床データを積み重ねることによって適応が拡大するかもしれません。

技術の詳細については毎月開催されているBFI技術研修会にて適宜アップデート(※)されております。ご興味のある方は一度ご参加いただければと思います。


※アップデート…当会では技術研修のことをアップデートと呼んでいます。その理由についてはこちらのページをご覧ください。



➡①BFI 入門編-脳にアプローチする治療家にとって絶対不可欠の心構え-

➡②BFI テクニック序論-基本的な考え方および検査等-

➡③BFI静的アプローチ(BFI-static approach)-ルーティンテクニック-

➡④BFI動的アプローチ(BFI-dynamic approach)-皮膚回旋誘導テクニック-

➡⑤BFIの動画サイト(You Tube)-アップデートされるたび技術の一部を公開-

➡⑥H29年7月のアップデートおよび比較試験の結果報告





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