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2018/02/13

時覚(ときかく)とは何か?①-知覚時間と非知覚時間-

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昨年初冬のある日の診察風景。いつも通りの術後検査(自律神経測定)を終え、Aさんに「今日の数値はいいですねえ。これ見てください!トータルパワー、これまでの最高値ですよ…」と伝えると、なぜか複雑そうな表情を浮かべ、「そうですか、よかった…。でも先生、なんだか今日の検査はやたらと長く感じちゃって…、途中からまだ終わんないの?機械故障してんじゃないの?と思っちゃいました…」

いえいえ、機器は正常です。検査時間もいつも通り(2分半)でした。明らかにAさん自身の時間の感覚が変わったのです。そのとき私の脳裏に浮かんだのは、もしかして治療前後で時間の感覚が変わる…?。もしそうだとしたら、いったいどんなメカニズムが…?そもそも時間を感じるって、どういうこと?


私たちが存在するこの三次元の世界には2種類の時間があります。一つは客観的時間(物理的時間)で、光が30万㎞進んだ時間を1秒と定義する物理法則です。もう一つはAさんの例が示す主観的時間(心理的時間)で、時間の進み具合に対する個人の感覚です。

当会では客観的時間を「外部時間」と呼び、脳内で処理される時間を「内部時間」と呼んで区別しています。さらに内部時間は意識に捉える「知覚時間」と無意識下の「非知覚時間」に分けられます。

ヒトの時間特性を考える上で以下の視点が重要であると考えるからです。
《視点その1》…外部時間と内部時間のずれ(乖離)
《視点その2》…知覚時間と非知覚時間の関係性
《視点その3》…知覚時間と認識の関係性


※心理学においては、体験する時間の長さによって主観的時間を分ける考え方がある。5秒以内の時間体験を「時間知覚」と言い、5 秒以上持続する体験は「時間評価」と呼ばれており、当会の分類とは異なる概念(語感が似ていて紛らわしい)。視点がまったく違うことに留意されたい。


これまでの心理学的研究によって、ヒトが感じる時間のスピードは様々な要因の影響を受けて変化することが示されています。


①生理的要因
これまで行われてきた種々実験によって、心拍、体温、血圧、月経周期などによって時間の感覚が変わることが報告されています。例えば体温上昇に伴って時間の流れを遅く感じたり、高血圧の人はそうでない人に比べて時間の流れが速く感じられたり、女性の月経周期においては卵胞期、黄体前期、黄体後期と進むにつれて、時間の流れが速く感じられるようになったりすることが報告されています。


②年齢的要因
これは多くの人が体感しているとおり、子供の時に感じる時間のスピードと大人が感じるそれは同じではありません。「このあいだ孫にお年玉を上げたばかりなのに、もうお正月が来ちゃったわ」といった類の話に象徴されるように、年配者の多くは「昔に比べると1年が過ぎるのが早い」と感じています。

ブラジルで行われた時間の実験(233人の男女、15歳から89歳が対象)で、目を閉じて120秒を数えてもらったところ、15歳から29歳の平均は115秒、30歳から49歳の平均は96秒、50歳以上の平均は86秒という結果でした。年配グループの時間の感覚は若者グループより25%も早かったことになります


③認知的要因
被験者に音や色の刺激を与えたり、課題を与えたりした際の時間の感覚を検討した実験によれば、総じて時間の流れを速く感じる傾向にあることが示されています。


④気質的要因
性格特性や不安気質が時間の感覚に与える影響を調べた実験によると、種々条件による結果のばらつきやその解釈がむつかしく、総括的な見解は定まっておりません。


⑤性差による違い
これも④と同様に条件次第で結果が分かれるため、最終結論には至っていなようです。


このように心理学的研究において様々な角度から検証されている時間の感覚。ではAさんの事例はどのように解釈することができるでしょうか。

当会は非知覚時間と知覚時間と認識の相互作用という視点で捉えてます。








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