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2018/02/16

時覚(ときかく)とは何か?①-体内時計と睡眠障害とBFI-

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先日、海外出張が多いある患者さんからこんなことを言われました。「先生、この治療を受けると時差ボケが嘘みたいに軽くなるんですよ…」。いわゆる不眠症からむずむず脚症候群(Restless legs症候群)に至るまで、様々な睡眠障害に効果発現を認めるBFI…、今回はなんと!時差ボケに対しても即効性のあるらしいことが…。

症例が限られているため確たることは言えませんが、仮に時差ボケの症状に何らかの変化をもたらすとするならば、なぜBFIのごときアプローチで?そもそも時差ボケのメカニズムは?

睡眠リズムはもとより、短期記憶の働きが昼頃に強まったり、腸管の細胞分裂が夜間に起きたりと…、ヒトの精神、体温、血圧、心拍、免疫、代謝などには一定周期の日内変動すなわち概日リズム(サーカディアンリズム)が備わっており、こうした仕組みは体内時計と呼ばれます。

例えば、アサガオは日照によって咲くものと思われていますが、真っ暗な環境下でも決まった時間に咲き、反対にずっと明るい環境下に置いていても定刻どおりに咲きます。開花を司っているのは日光ではなく「時間」だということです。

24時間周期で自転する地球環境に適応するために生物が獲得した基本的生命現象の一つであり、アサガオに限らず地球上に棲むあらゆる生物が概日リズムを持っているそうです。

ただしヒトの体内時計はすべての人々がピッタリ24時間で設定されているわけではなく、相応の個人差が認められ、24時間10分を頂点にした正規分布があると報告されています。つまり地球人の体内時計は平均して10分程度の遅れが毎日生じており、それぞれの生活環境に則して適宜リセットする必要があるということになります。

もちろん中には「ほぼほぼ24時間」という羨ましい人がいて、こういう方は目覚まし時計に頼ることなく毎朝決まった時間に自然起床できるのではないかと想像します。

昨今注目を集めている「時間医療」という分野においては、薬を投与するタイミングや各人の体内時計の違いによって、吸収の良し悪し、副作用の具合などが異なることが知られています。 腸内神経叢の研究によれば、体内時計の乱れが肥満、糖尿病、ガン、心血管疾患などのリスクを高めることも報告されています。

昨年のノーベル医学生理学賞は「体内時計を司る時計遺伝子の発見とその仕組みの解明」に授与されました。この研究により、体内時計の中枢“マスタークロック”すなわち視交叉上核(視神経が脳内で交差する場所)の中に時計遺伝子が見つかっただけでなく、驚くべきは人体にある60兆個とも言われるほぼすべての細胞に時計遺伝子の存在が見出されたのです。

つまり時計遺伝子は、マスタークロック(視交叉上核)だけではなく、心臓、肝臓、肺、筋肉、肺、粘膜や皮膚など、あらゆる全身の末梢組織にも存在しているということです。

しかも各臓器の中にある時計細胞(時計遺伝子の働きを発現させる細胞)がバラバラに働いてしまわないように、中枢時計である視交叉上核が指揮者のように振舞うことで、人体の各臓器にある末梢時計を統率していることが分かってきました。

「PERIOD(ピリオド)」という時計遺伝子によって作られる「PER」というタンパク質が、夜間に蓄積して昼には分解されるという仕組みがあり、このようにしてPERタンパク質の量が約24時間周期で変動することで、体内リズムがつくられます。

これまで発見されている時計遺伝子は、体内時計の刻みを促進するCLOCKとARNTL(BMAL1)、また抑制する遺伝子として前述したPERIOD(PER)と、他にCRYPTOCHROME(CRY)などがあり、これらの遺伝子が人体を構成する細胞のすべてに組み込まれていて、これらが働くことで規則周期的な細胞活動が行われています。


腸内神経叢と体内時計に関わる研究によって、末梢時計(子時計)の狂いが中枢時計(親時計)に影響を与えるかもしれないという相互作用が報告されており、 BFIのごとき皮膚刺激が脳に働きかけることで視交叉上核に何らかの好影響を及ぼす可能性が浮上しています。

時差ボケは中枢時計(生物学的時間)と実生活の時間(社会的時間)のずれが引き起こす症状であり、当会(BFI研究会)ではこれを「内部時間と外部時間のずれ」と呼んでいます。

このとき皮膚にある末梢時計への働きかけ-BFIのごときタッチケア(※)-によって、中枢時計のリセット効果を促すのではないか、内部時間と外部時間のずれが小さくなるのではないかというのが当会の推論です。

(※)…BFIの最新テクニックにおいては胎内記憶(胎児が羊水の中に浮かんで、母体の生体リズムすなわち心拍を感じている際の記憶)を重視しており、妊婦の平均脈拍80~90と同じリズムのタッピング(極めて微かな間接的タッピング)を用いた技術が含まれる。

さらに中枢時計の既定の設定値(生まれながらの初期設定)において、“1日24時間”とのずれが許容範囲を超えているヒトでは、後天的な要因-社会生活における心身環境因子-の修飾を受けることで様々なタイプの睡眠障害を発症するのではないか、すなわち時差ボケと同じか、あるいはこれに近い状態が日常化しているものが睡眠障害と言えるのではないか、つまりBFIが睡眠障害に有効である理由は時差ボケに有効性を示した理由とほぼ同じではないか、と当会は考えています。



《シリーズ“時覚(ときかく)”》

時覚(ときかく)とは何か?①-体内時計と睡眠障害とBFI-

時覚(ときかく)とは何か?②-知覚時間と非知覚時間-

時覚(ときかく)とは何か?③-脳内タイムマシーン-

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