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BFIの技術-最新版-

2016/05/27

③BFI静的アプローチ(BFI-static approach)-ルーティンテクニック-

≪トップページ≫
➡①BFI 入門編-脳にアプローチする治療家にとって絶対不可欠の心構え-
➡②BFI テクニック序論-基本的な考え方および検査等-
➡③BFI静的アプローチ(BFI-static approach)-ルーティンテクニック-
➡④BFI動的アプローチ(BFI-dynamic approach)-皮膚回旋誘導テクニック-
➡⑤BFIの動画サイト(You Tube)-アップデートされるたび技術の一部を公開-
➡⑥H29年7月のアップデートおよび比較試験の結果報告

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技術的な基本原則として、従来の手技療法のように手掌ならびに指先の腹側で触ることはありません。

指先によるタッチでは指尖の背面(爪~DIP)もしくは小指尺側、手部によるタッチでは背面もしくは尺側、前腕部によるタッチでは掌側or背側or尺側(全周囲)で皮膚に優しく添えるという、これまでの常識になかったタッチ技法を用います。

手指の緊張を極限まで落として触るわけですが、それでも尚、母指の筋トーヌスは他4指に比して強くなる傾向があるため、原則として母指で直接触ることはありません。

さらに頭部以外の技術では、皮膚に触れると同時に母指と示指を互いにタッピングさせます(Oリングテストと同じ形で母指と示指を互いに接触させたり離したりを繰り返します)。このとき術者の両手のタッピングを同期させることが肝要です(両手のタイミングがずれないように注意)。

こうした言わば“非接触(間接的)タッピング”において…、一部位での回数は10~30回ほどで、症状(関連部位)に合わせて臨機応変に、あるいは無意識に回数が変わってしまうことがありますが、開発者自身はだいたい20回前後くらいのことが多いです…。

またタッピングの速さについては、メトロノームを使った臨床試験において被験者の脈拍リズムと同期した場合、脈拍より+5のリズムで行った場合、−5で行った場合の3パターンを比較したところ、そのそれぞれに心地良さを感じる被験者の割合がほぼ等しく、かつ脈拍の±5の範囲を逸脱した場合に心地良さを感じる被験者は極めて少なかったことが分かり、この結果を受けて「患者さんの脈拍を目安にして±5くらいの範囲くらいが適当ではないか」と考えています。


物理学においては「あらゆる物体には固有振動数がある」とされており、人体も例外ではありません。つまり目に見えない微かなゆらぎの振幅(固有振動数)が被験者と術者のあいだで何らかの相互作用をもたらす可能性があるという推測の視点からは、骨に触る技術(ボーンタッチ)は指先の腹側よりも背面のほうがいいのではないかと考えています。

さらに故糸川英夫博士(ロケット工学の権威・音響工学の専門家)によって提唱されたボーンコンダクション理論も、BFIの効果発現を考える上で不可欠な概念です。

※ボーンコンダクション理論…
人が聴く音には2種類があり、一つは空気中を伝わる“音波”で、要はステレオ(レコードやCDの音)から聴こえる音。もう一つはボーンコンダクションと呼ばれ、楽器を持つ手、抱えている身体を通して直接振動として伝わり、骨を通り聴覚系に伝播される音。人が聴く音の原点は胎児期の母親の鼓動・血流音としての体感振動にあり、これがボーンコンダクションの起源だと言える。

糸川博士によれば「聴く人に陶酔感(真の恍惚感)をもたらすのは音波ではなく、直接伝わる『振動』すなわちボーンコンダクションの方」であり、実際ヨーロッパの宮廷音楽では壁や床からじかに管弦楽の振動が伝わることで、鼓膜から入る“音波”と合わさって感動的な空間を創出している。他方CDから流れる音楽は白砂糖や食塩のように過度に精製された音だと言える。

人間の皮膚は可聴域外の低周波や超音波を受信している可能性が高いことが分かっており、皮膚&骨の両者による振動伝播が脳に与える影響を考える上でも、ボーンコンダクション理論は極めて重要。



これまで「同時多発的な極微刺激が脳の可塑性を促すのではないか」という独自の視点にしたがって様々な組み合わせのインターフェースを試してまいりましたが、当会はfMRI(脳機能画像検査)などを用いた実験研究を行うことができない環境(いつか実現する未来を切望しています)であるため、例えば「この部位とこの部位を触ると脳の神経活動が顕著にUPする」というようなニューロフィードバックの知見を得ることが叶いません。

そのため過去におけるAKA&ANTの臨床経験頼みという形でインターフェースの組み合わせを探さなければならず、結果として「数打てば当たる」的に触る箇所がどうしても多くなってしまう傾向がありました。

しかし、セロトニン及びオキシトシンの研究により判明しつつある脳膚相関の観点から、皮膚接触面積の拡大を重視することで、インターフェースの組み合わせに対して新たなスタンスが生まれています。

BFIの技術に関しては身体感覚のトレーニングを積むことにより、どんな体勢をとっても、どんな指の形を作っても、常に指先の力が完全に抜ける状態を維持する必要があります。その意味において、例えばAKAのテクニックにおいて「いかに指先の力を抜きつつ関節を動かすか」という訓練を積んだ医療者であれば、BFIの技術習得はむつかしいものではないと思われます。
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BFI は脳内の情報処理システム-いわばソフトウェアの異常-にアプローチする技術であり、BFI自体が修正プログラムのごとき性格を有します。そのため技術の修正、向上に関わる更新作業(アップデート)が欠かせません。そのアップデートはBFI 技術研修会にて定期的に行われています。→「BFIの技術研修が“アップデート”と呼ばれる理由」

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序論で申し上げた通り、何らかの技術を習得したいと考えたとき、完成された理論による療法は安心感があって、まことに入っていきやすいわけですが、痛みの臨床においては理論ありきで技術を完成させてしまうと、医学の進歩によって後々に明らかになっていく新しい常識とのあいだで齟齬が生じないとも限りませんし、何より技術と結果の因果関係を結論付けることは本当にむつかしい…。

例えば骨に触れることによって、その刺激情報が骨膜の受容器だけで処理されるのか、結果的に関節受容器で処理されるのか?皮膚の受容器で処理されるのか?仮に皮膚が反応しているとするならば、ケラチノサイトにあるTRPV3なのか?TRPV4なのか?それ以外の受容体も絡んでくるのか?これら可能性のあるもののうちすべてが同時に反応するのか?時間差や個体差については?

骨への振動がオステオカルシン(脳や内臓器官の機能を高めるホルモン)を分泌させることが分かっているが、低周波や超音波などの極微振動とオステカルシンとの関係性は?

長管骨の骨折においては、応力誘発性電位(骨が曲げられた際、凸側の骨膜が電気的に陽性-正の電荷を帯びる-、凹側は陰性-負の電荷を帯びる-となる)が発生することが知られていますが、実は応力が加えられない静止状態においても、骨端部だけは常に負の電荷を帯びていることが分かっています(これを生物電気的電位と言う)。

BFI において「関節近傍の骨を触る」とは「骨端部を触る」と同義であり、もしかすると人間の手指による接触刺激が“骨の生物電気的電位”に何らかの変化をもたらすのか?仮にそういう現象が認められたとして、その結果が痛みや理学所見に影響を与えることはあり得るのか?

そもそもあらゆる物理的介入は皮膚を介して行われており、さらに「関節を触る」と「骨を触る」と「皮膚を触る」は互いに同義であり、こうした技術的交絡因子を無視することはできないわけで…、前述した固有振動数やボーンコンダクションの考察も重要と思われますし…、さらに脳膚相関という観点からは「C触覚線維による島皮質の活性化」というメカニズムも…。


したがってBFI においては理屈ありきではなく、現象の再現を最優先にしてアップデートを今後もしばらく続けていくことになると思います。多くのソフトウェア(アプリ)がそうであるように。



➡①BFI 入門編-脳にアプローチする治療家にとって絶対不可欠の心構え-

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