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BFI テクニック序論-基本的な考え方および検査等-

2017/07/15

②BFI テクニック序論-基本的な考え方および検査等-

《トップページ》
➡①BFI 入門編-脳にアプローチする治療家にとって絶対不可欠の心構え-
➡②BFI テクニック序論-基本的な考え方および検査等-
➡③BFI静的アプローチ(BFI-static approach)-ルーティンテクニック-
➡④BFI動的アプローチ(BFI-dynamic approach)-皮膚回旋誘導テクニック-
➡⑤BFIの動画サイト(You Tube)-アップデートされるたび技術の一部を公開-
➡⑥H29年7月のアップデートおよび比較試験の結果報告



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何らかの物理的介入によって理学所見が変化-例えばSLRが改善したり、体幹の可動域が改善したり、歩行態様が改善したり-しても、痛みだけが不変という現象…

つまり身体の動きが回復しているにも拘らず、患者の訴えが変わらない症例(運動機能の回復と痛みの改善が符合しないケース)というものは、実は少なくありません。


「そんな症例見たことない」という方は施術前後の動きを動画撮影し、同時に“微表情”(人間の深層心理、無意識は表情筋の微かな変化として現れる)も観察しつつ、 痛みの指数評価(VAS)と理学所見の相関性を解析していただければと思います。


痛みの臨床においては、理屈を先行させて完成させてしまうと、脳の可塑性、複雑系とのあいだで、最終的には整合性を欠く事態に陥りかねません。したがって「理屈ありきで技術を作るのではなく、常に現象ありきで技術をフィットさせる」ことが肝要だと考えます。


したがって「
関節近傍の皮膚・骨への同時多発的な極微刺激によって理学所見が変化するという現象は厳然たる事実ではあるが、その詳細メカニズムは不明…、分からないとしか言いようがない。仮に脳科学の視点から説明を試みようとするならば、感覚受容器からの信号入力が何らかの形で脳の情報処理に関わるシステムに影響を与えた結果ではないか…?というのが当会の基本姿勢です。

「痛み記憶の再生理論」にしても、関節受容器のインターフェース優位性(フィードフォワード制御理論)といった話も、すべては現象を説明するための手段に過ぎません。近い将来、脳科学発展が当会スタンス正誤を明らかにするでしょうけれども、現状は可能な限り客観的かつ多角的な臨床データを積み上げていくしかなく…。


そうしたなか、昨今の脳科学やニューロリハにおける知見の数々(例えば触覚刺激とオキシトシンの関係、リズム刺激とセロトニンの関係、振動刺激と麻痺の関係等々)は当会の方向性の正しさを裏づけるものが多いと感じています。

痛みやしびれという感覚は外傷であれ、慢性疾患であれ最終的には脳で生み出されますが、このとき脳内の知覚生成プログラムに何らかのエラーが生じると、外傷であればより強い痛みに、非外傷であっても脳が勝手に痛みを生成してしまう現象が脳科学によって示されています。

BFI では脳原性(システム由来)による痛みをソフトペイン、肉体原性(組織の障害を知らせる)の痛みをハードペイン、両者の混成痛をハイブリッドペインと呼んで区別しています。

BFI は脳の情報処理システム(個別の神経ネットワーク)に働きかけるインターフェースとして関節近傍の皮膚および骨を利用し、術者の指先による繊細な刺激情報を脳に伝える-脳にアクセスする-ことを主目的としています。
.….
当初はCRPS(RSD)に代表される難治性疼痛の治療目的に開発された技術ですが、その後の臨床研究により整形外科領域のみならずニューロリハや心理療法などにおいても有用な技術であることが分かってきました。


脳にアクセスするためのインターフェースとして関節を重視する背景には、ANT(関節神経学的治療法)をベースにして開発されたという経緯があり、実際のテクニック(タッチ技法)としては関節軟部組織は極力触らず、骨の隆起部分を触る技術(ですから“関節近傍の皮膚および骨”なのです)でしたが、その後の臨床研究により脳膚相関の比重が高いことが推測されたことにより、現在では“関節重視”から“皮膚重視”に徐々に切り替わりつつあります。

とは言え、関節を完全に考慮しないということではなく、関節神経学を重視するスタンスに変わりはありません。それでは実際の臨床をご紹介してまいります。
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まず治療前評価ですが、自律神経測定器(TAS9VIEW)を使って自律神経バランスを視覚化します。多くの症例で術後の数値改善が認められることから、BFI が自律神経機能を回復させることが確認されています。
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           Ans33   Tas9v
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次に立位で体幹の動き(前屈・後屈・側屈)を見て、さらにマンテスト(mann test:平均台の上に立つような姿勢-両足を一直線上に置き、前足の踵と後足のつま先を接して立たせ、閉眼した状態で身体の動揺を見る)を行います。

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マンテストはパイロットにおける航空身体検査でも使われています。閉眼した状態でゆっくり10数えて、その間の揺れ具合を確認します。右足前にしたときと左足前にしたときの両方を比較します。他覚的に違いが分からない場合は、患者本人に「どちらのほうが立ちやすかったか」を尋ねます。

症例によっては、閉眼することがまったくできないケースもあります。患者いわく「まったく立てる気がしない」のだそうです。そういう場合は開眼のままテストします。


ベッド上ではSLR検査をします。AKAでは可動域とend feelを評価しますが、BFI では下肢を持った際の“術者が感じる重たさ”をメインに、可動域やend feelもケースバイケースで評価しています。fadirfやfabereは症例によって見る程度で、ルーチンには行いません。


SLR検査は、何度も繰り返し行っていくと、患者がその動きを学習し、無意識的に随意収縮を起こすようになり、正確な評価ができなくなります(なかには初めからそうした傾向を強く持つ患者もいます)。

BFI では、いわゆる加速度順応(他動的な下肢拳上に協調して、患者自らが筋の自発的な収縮をコントロールする働き)の評価を重視しています。下肢を持った際の“術者が感じる重たさ”とは、加速度順応の変化を感じとっていることを意味します。


SLR検査を繰り返すうちに、可動域の増大に対して、術者が無意識的に早い速度で下肢を持ち上げるようになると、患者の無意識的な随意収縮も増して、一見SLRが改善したような印象を持ちますが、術者が冷静になって、再びゆっくりと慎重に下肢を持ち上げると、治療前と重たさがたいして変わっていないことに気づくことがあります。

SLRの評価は、術者自身の技術的問題が大きく影響するというのが、BFI における考え方です。

痛み記憶を形成する神経回路(セル・アセンブリ)が特に感情プログラムと密接にリンクしているケースでは、治療後の理学所見(体幹可動域、SLR、マンテスト)の回復が認められても、患者は痛みの改善を自覚しません。理学所見の変化はあくまでも小脳機能の回復を知らせるサインであって、必ずしも痛みと連動しないことを念頭に置く必要があります。


➡①BFI 入門編-脳にアプローチする治療家にとって絶対不可欠の心構え-

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