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椎間板ヘルニア-④神経の変性≠痛み(その1)-

2011/12/08

④神経の変性≠痛み(その1)

はじめに

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前回の稿では

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末梢神経の本質は電気信号の伝達器官、 いわば人体版の電器コード。そのコード本体が圧迫されると伝導障害が発生するため、痛みではなく麻痺になる

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というお話をさせていただきました。

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ところが、現代医学はことあるごとに神経痛という概念を掲げて『神経が圧迫されて痛みが出る』と説明します。

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なぜ基礎医学の常識と相反することを声高に主張しているのかと問えば、実験モデル-変性した神経をペアン鉗子や鑷子などでつまむと、“異所性発火”という現象がおきて痛覚信号が発射される-の結果を受けて、

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正常な神経を圧迫しても痛みはおきないが、変性した神経を圧迫すると痛みが出る

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という通解を掲げているのです。

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しかし動物実験にせよヒトでの臨床実験にせよ、そのほとんどが人為的に作られた環境下で行われており、明らかに通常とは異なる生体環境になっています。

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そのような状況下ではマウスであろうとヒトであろうと、様々なストレス-極めて不自然な環境人工的な刺激狭いガラス箱のなか・手術室・注射・皮膚を切開される・異物を挿入される・からだを押さえつけられる・からだの一部を固定される・組織をコッヘルで鋏まれる・神経をペアンで抓まれる等々にさらされていると言えます。実験内容によっては、不必要な痛みを取り除くための最低限の麻酔処置が施されますが、動物にとってはその麻酔という行為自体がそもそもストレスになる可能性があると、私は考えています。

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現代医学はこうしたストレスが実験結果に与える影響をほとんど無視しています。そこには様々な交絡因子が潜んでいるはずで、生体の反応に対してはあらゆるレベルにおける複合因子を考慮する必要があります。ストレスの影響はときに想定を上回るレベルで発現することがあり、直接介入を受けていない中枢系に何らかの変化が生じている可能性も否定できないのです。

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また電気生理学的な実験によって得られたスパイク放電(信号の発射)が中枢に到達した際、ヒトの脳に発生する痛覚と犬や猫の脳に発生する痛覚が同じものだという証拠はありません。動物の回避行動と痛覚レベルの関係性や生体間における痛覚発現の個人差なども含めて科学的に討究されるべき点はたくさん残されています。

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実験データの集積と分析が医学のつとめであり、医学と臨床の融合が医療だと言えます。しかし“医学”と“医療”の違いをきちんと自覚している臨床医は、果たしてどれくらいいると言えるでしょうか?

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臨床の主役はあくあまでも患者さんです。現実におこっている症状を動的時間軸のなかで検証し、問診やアンケートなどによって心身環境因子の詳細を把握し、患部ではなく“ヒト”を見る力が必要不可欠です。人間を見とおす慧眼がなければ、実験データがひとり歩きするだけで、誤った医学常識の闊歩を許すことになります。

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医学を盲信するのではなく、現実の患者さんを見つめることで、軌道修正を促すことも現場のつとめなのです。

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とくに椎間板ヘルニアにおいては、ありとあらゆる実験モデルを駆使しても、実際の症状(患者さんが感じる痛みやしびれ)を再現することができないという厳然たる事実があります。研究者たちは「実験モデルと実際の臨床のあいだには相応の乖離があるであろう」ということは認識しているはずです。

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問題なのはそうした実験データと現実の臨床を対照させる統括力の欠如です。ミクロの世界を注視する眼力と上空から森全体を俯瞰する視座の両方を兼ね備えるべきところを、あまりに前者の視点に偏り過ぎているのです。

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現代医学は“木も見て森を見ず”どころか“葉の細胞を見て森を見ず”になってしまっていると言えます。各領域のエキスパートたちはそれぞれ素晴らしい研究を行っているのですが、それらの結果をとりまとめる統括ディレクターがいない!超一流のソリストらで構成されたオーケストラ。しかし…指揮者がいない。

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あなた自身が指揮者になったつもりで、ここからの話を聞いてみてください。そのうえで異所性発火という現象の真偽を見極めていただければと思います。最初に私の考えを、次いで論拠をお話してまいります。

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           ③末梢神経の圧迫≠痛み                   ⑤神経の変性≠痛み(その2)

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