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フィンガートラクション-その意義について-

2012/09/11

フィンガートラクション(フィンガートラップ)による骨折整復および腫脹コントロール-その意義について-

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今回は、ほぼ無痛に近い状態で骨折の整復管理を行うことのできる“フィンガートラクション(フィンガートラップ)”についてご紹介いたします。

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Pict0031 .

これは肘関節部、前腕骨、手関節部などの骨折で以下のものが、とくに適応となります。

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①高齢者

 

②関節内骨折において関節面の損傷が高度な例

 

③受傷後日数が経過して腫脹の高度な例

 

④CRPS(RSD)発生を予期させるもの(症状の激烈な例-実際には感染はないのだが、それを疑わせるような皮膚の発赤・熱感・激しい痛みなど-)

 

⑤既往歴や基礎疾患などを考慮し、とくに愛護的な整復が求められる例(心臓疾患など)

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Pict0034

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上写真のようなフィンガートラップを用いることによるフィンガートラクションによって、腫脹が引くと整復操作が容易になります。骨転位もある程度までは回復します。フィンガートラクションを2040分程度(場合によっては60分以上)行ったあと、転位の状況を確認し、患者さんの状態などを十分に顧慮したうえで、必要があれば整復操作を行います。

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骨折の整復が完了し、ソフラットシーネなどによる固定を数日から1週間程度続けて、腫脹が十分に引いたところで、キャストライトなどのギプスに変更します。

その際は再びこのフィンガートラクションを使って、ギプスを巻くと助手がいなくても巻くことが可能です(転位軽度の骨折のみ)。

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写真の状態で巻くこともありますが、橈骨下端の転位軽度なものであれば、 患者を椅子に座らせて上肢台の上で肘直角位でフィンガートラクションを装着し、その状態でギプスを巻きます。

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腫脹をできるだけ早期にコントロールすることは、骨折管理のうえで“完璧な整復”よりも重要な要素になり得ます。

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子供の肘関節骨折における変形治癒の問題あるいは女性の指などの美容的な問題が絡むケースを除外するという前提において言わせていただければ、骨折治療の最終ゴールはあくまでも“機能の回復”であって、“形態の修復”ではないということです。

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完璧な整復を行って骨を元通りにしたとしても、結果的にCRPS(RSD)が発症してしまえば、患者さんにとってはとても辛い状況になるからです。

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骨折整復の際、重力に対して垂直方向に引っ張ると、すなわち重力に対するせん断力を包含しながら引っ張る(患者座位もしくは仰臥位で引っ張る)と、甚大な疼痛が発生します。フィンガ‐トラクションは重力に対して平行に牽引するため、『骨折部に牽引力を加えても疼痛を発生させない』という最大の利点があります。
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CRPS(RSD)予防の肝要は「疼痛および腫脹のコントロール」ですから、無麻酔下で行う整復操作は常にCRPS(RSD)発生のリスクを抱えています。極力“痛み”という感覚を起こさせないことが、骨折はもちろんのこと全ての外傷管理の“基本中の基本”だということを忘れてはなりません。

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フィンガートラクションは腫脹のコントロールを容易にし、かつ牽引時の痛みを発生させないという2つの大きな特徴を有するため、CRPS(RSD)発生の予防という観点からも、プライマリケアにおける外傷管理にとって欠かせない手段の一つです。
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また、たとえCRPS(RSD)が発症してしまったとしても、その腫脹や浮腫のコントロールにとって極めて有効な治療となり得ます。下の写真は私の母親に発症した重症CRPS(RSD)に対して、BFIと並行して行ったフィンガートラクションの様子を写したものです。診察室での施術のみならず、自宅居間においても継続することで早期の回復につなげることができた実例です。

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6) 膝関節における前面窓式プライトン固定 
7) 前腕骨骨折における上肢ギプス二重法(前腕部割り入れ併用式) 
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11) 体幹プライトンシーネ(元ほねつぎの母が脊椎圧迫骨折???) 

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