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◆日時
H30年 3月21日(祝) 13:30~17:30
◆会場
⇒大宮ソニックシティ 5F 会議室 501
アクセス:JR大宮駅西口から徒歩3分
〔住所〕 さいたま市大宮区桜木町1-7-5
〔TEL〕 048-647-4111
駐車場:ソニックシティ地下駐車場…30分/200円
(利用時間 7:00~23:00)
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当日プログラム内容
◇特別講演Ⅰ 『“発達障害”改め「発達個性」を考察する!-実際の臨床例が示す脳疲労の真実-』
「昨晩はあまりの痛みに泣き叫んで…」
「気が狂いそう…」
「もう生きていく気力が…」
「今日は私のことではなくて母のことで相談が…、最近徘徊が…、昨日警察に保護されて…」
「100から7を引く?…、できません…」
「今日は息子のことで相談が…、最近学校に行かなくなってしまって…」
「入社以来すっと事務作業だったのに、ある日突然接客の仕事をさせられたら脱力感としびれに襲われ…」
こういった患者さん方が連日押し寄せる毎日のなかで、以前から発達障害と脳疲労の関係性を分析していましたが、今回ようやくその核心に辿り着きましたので、その詳細についてご報告いたします。
現代社会においては、発達障害の傾向を持つ人が爆発的に増えています。分かりやすい自閉症であれば、家族が気づいて相応の対応につながることが多いわけですが、アスペルガー(最新の分類概念ではASDに統合済み)に代表される広汎性発達障害や学習障害の一部は本人も家族も気づけないまま成人し、大学に入ってからあるいは社会に出てから周囲の環境に適応できずに苦しんでいる方が大勢います。
こうした方々が様々な症状を抱えて、運動器外来を受診しても、おそらく多くの現場において“そのこと”に気づける医療者は少ないと思われます。
目の前の患者さんの問題もさることながら、患者さんが抱えるストレスの背景には発達障害を疑わせる同僚や家族の存在が見えてくることも…。
つまり運動器プライマリケアの現場にあっては直接的または間接的に発達障害の問題に対峙している、直面しているという現実があり、もはや医療者にとって「発達障害の何たるか」を知っておくことは欠かせない予備知識であると言っても過言ではありません。
今回は発達障害についての基本をおさらいした上で、脳疲労との関わりを解説させていただきますが、将来的にこの視点の正しさが証明されたなら、今後は運動器外来のみならず、精神科、心療内科、小児科、皮膚科、老人内科、脳神経外科等々幅広い診察現場において、必須の視点となりましょう。
そして医療人の中にこそ、実は発達障害の傾向を持つ方々が多いという見方を、私は持っています。私自身がまさしく発達障害だったから分かるのです(過去形にした理由については長くなるので別の機会に…)。今この文章を読んだ刹那、深く頷いているあなたは、おそらく以前勤めた病院あるいは現職場において該当する人物を思い出しているのでは…。
かつての自分を棚に上げて言わせていただければ、私よりもヘビーだなと感じたスタッフもいれば、これはもう完全にそうだよねというスタッフもいました。私が赴任した先(6~7軒の医療機関)のほとんどで発達障害の傾向を持つ医療スタッフとの遭遇体験が…。
現在、私の診察場面においては発達障害の話をするときは、必ず以下の説明をしてから患者さんにお話ししています。
『ぼくはそもそも発達障害という用語の響きに違和感を持っていて、なるべく発達個性と呼ぶようにしています。その実態はあくまでも脳の神経回路の形成の偏りに過ぎません。障害というよりも、これは個性なんです。しかも天才的な才能を秘めていたり、目に見えないヒーリングパワーを持っていたりすることが多いんです』
目の前の患者さんが発達障害である場合はもちんのこと、その家族や関係する人に可能性がある場合においても、必ずこの話をしてから、具体的なアドバイスをするようにしています。
当日はそうした発達個性の人々がどんな脳疲労を抱えて、どんな症状を発症して、どんな救いがもたらされるのか、そうした具体例を紹介しつつ、今後の医療の在り方を模索させていただきます。
「先生、今日は私の息子のことで相談が…。高校卒業後、就職と離職を繰り返していて、とうとう先月からは完全に引きこもり状態に…、先生、もしかしてうつ病じゃないかと心配で…、一度診てほしいのですが」
そう仰った母親の息子さんを実際に診てみると、私の診立てはうつ病ではなく、発達個性でした。下の画像はその息子さんを心療内科に紹介し、紆余曲折を経て障害認定に至ることができた実例です。現在はハローワークの障がい者窓口をとおして発達支援センターで就職に向けた準備を進めています。
この患者さんは障がい認定取得後も、BFI によるメンテナンスを継続されています。その理由を尋ねると「先生の治療をしばらくのあいだ受けられなかったとき、体調が元に戻ってしまってすごくしんどかった…。でも治療を受けると、やっぱり朝スムーズに起きられるし、活舌も良くなるし…」と、治療効果を実感していることが分かりました。
このように発達個性に対するBFI の意義というものは、脳疲労を回復させることで周辺症状を和らげることにあって、発達個性そのものを劇的に治すという次元ではありませんが、しかし発達個性を基盤に持って様々な症状に苦しんでいる方にとって、BFI による脳疲労の緩和および発達個性に関わる情報提供や生きていく上での適切な助言がどれほど救いになるか、そして本人はもとより家族がどれほど救われるか…、多くの医療者にそうした背景を知っていただければと思っています。
また発達個性はスペクトラムと呼ばれるとおり、非常に多彩で様々な次元が存在します。アスペルガーに関わる情報から「空気が読めないタイプ」と思われがちですが、中にはこれと真逆に「空気を読み過ぎてしまうタイプ」の発達個性もあります。
また痛みの臨床においては発達個性であるが故の、ある種“特異な能力”が自身の痛み回路に発現してしまうと、非常に強固な慢性痛となって本人を苦しめるケースがあります。慢性痛のみならず、うつ病や認知症においても同じ背景があります。これらについても当日詳しく解説させていただきます。
◇特別講演Ⅱ 『重力遺伝子は存在するか?-リハ技術における新たな視点“抗重力トーヌス”-』
すべての出発点は「骨折の整復・管理において、なぜフィンガートラクション(詳しくはこちら)は無痛なのか?」「大腿骨骨折の徒手整復時、長軸方向への牽引は激痛を伴うのに対して、膝をリフトアップする整復法ではほぼ無痛に近いのはなぜか?」でした。
諸々の物理的要因や筋制御に関わる因子を考察し続ける中で、最終的に私が辿り着いたのは“重力”です。力が加えられた際の生体反応はその重力ベクトルによって変わってくるのではないか。
例えばAKA-博田法において、仙腸関節の上部離開を行うとき、ベッド上での側臥位すなわち骨盤が横になっている状態での施術は重力に対して平行に牽引する操作であるため好結果を生んでいるが、仮に患者立位で上部離開を行ったなら、重力ベクトルに対して垂直方向に牽引することになり、この場合は好結果につながらないのではないか…。
これらの視点が仮に正しいとするならば、生体は重力に平行に牽引される力に対して筋軟部組織の防御反射が起こりにくい性質(重力に平行に牽引されると抗重力反応と同じ方向への牽引となるため、言わば“脳がだまされて”反応できない)を有しているのではないか。であるならば、整形の物療で行われている頸椎の持続けん引はこれまで指摘されているとおり、やはり“危ない治療”だと言わざるを得ないのではないか…。
だとすると、生体が重力に対して有しているであろう抗重力トーヌスとも言うべき、重力に抗う皮膚や関節や筋の持続的緊張状態を司る何らかの仕組み、そこに関わる重力遺伝子なるものが存在するのではないか、昨年時計遺伝子が発見されたことは前回の研修会で報告しましたが、今後もしかすると「重力遺伝子の発見にノーベル賞授与!」みたいなニュースが飛び込んでくる可能性も…?
当日はこうした抗重力トーヌスを最大限考慮したBFI のアップデート(アップグレード)も伴わせて行う予定です。
◇BFI のアップデートおよびローテーション実技演習
当会の実験および実技演習には初参加者の方も加わっていただいておりますが、これまでのところ支障を来たした例はございません(皆無です)。どなた様におかれましても、まったく問題なく安心してご参加いただけます。
初めて参加する際、「実際の技術はどれくらいの力加減なのか知りたくて…」という方が多いのですが、まさしくその絶好の機会と捉えていただければと…。
ただ事前の準備として、BFIの動画(➡前回アップデートの動画)を見ておいていただくと当日の実技演習がスムースに行えると思います。いわゆるイメージトレーニングですが、最新の脳科学でその有効性が立証されています。お時間の許す範囲内で眺めておいていただければと思います。
➡BFI研究会の動画専用ページ(You Tube)はこちら
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◆参加費。。
非会員≪ 20,000 ≫
会員≪10,000 ≫
※当日会場にて申し受けます。
※入会金は《 10,000 》です。初参加の方は入会の有無に拘らず合計《 20,000 》となります。
⇒初めて参加される方はこちら
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⇒2回目以降の参加申込はこちら
◆定員
先着18名まで (申込期限…前日20時)
※定員に達し次第Facebookページに告知します
⇒研究会公式サイトの「研修会のご案内」ページ
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